当院では関節リウマチによって手と上肢に痛みやこわばりがある患者様に対してSARAHエクササイズプログラムを行っています。
≪SARAHとは≫
SARAH(Strengthening And stretching for Rheumatoid Arthritis of the Hand)とはイギリスで考案された関節リウマチ患者さんのための手と上肢(腕や肩)のエクササイズのことです。患者さんが継続できるようなエクササイズで長期的に効果が得られるプログラムとなっています。
SARAHではエクササイズのやり方や目標を担当の理学療法士と一緒に相談して決めてホームエクササイズを実施します。手や指の機能を改善・維持するためには自宅での継続的なエクササイズを行うことが重要です。
≪SARAHの進め方≫
まずはお医者さんと相談しましょう。診察を受けSARAHが適応(有効である)と診断されれば理学療法士による訓練が処方されます。処方されると
SARAHエクササイズガイドと言う冊子をお渡しします。初回の訓練日までに「簡単に」で良いので
エクササイズの目標を考えておいてください。(「〇〇が出来ないので出来るようになりたい」「痛みやこわばりを和らげたい」など)
訓練初日に担当の理学療法士がSARAHの説明をした後に目標やどこで・いつエクササイズを行うかなどを一緒に相談して決めます。その後各エクササイズを指導します。そのエクササイズを毎日ご自宅で行っていただきます。
冊子にエクササイズ日記があるのでしっかりエクササイズが出来ているかチェックを付けて次回の訓練の際に担当理学療法士に確認してもらいましょう。
≪エクササイズの内容≫
手指・手関節の可動性エクササイズを5個と筋力強化エクササイズが4個、肩の可動性エクササイズが2個の計11個のエクササイズを実施します。
≪SARAHの効果≫
イギリス国内の関節リウマチ患者488名を対象に、一般的なリウマチ治療を行うグループとSARAHを行うグループにわけて、4ヶ月後と12ヶ月後に手や指の機能を比較したところ、12ヶ月後経過時点でもSARAHを実施したグループの方が実施しなかったグループに比べて、「指でものを摘まむ力」「指を伸ばす力」「指の器用さ」が改善しました。
詳しくは当院スタッフにお尋ねください。
≪参考リンク≫
SARAH研究会 – 関節リウマチの手に有用なエクササイズ/Rheumatoid Arthritis hand exercise research and best practice (sarah-ra.jp)