猫背姿勢を長時間とることで、頭部が前方へ傾き、頚の後ろの筋肉と胸の前の筋肉が過緊張になり、顎の下の筋肉と背中の筋肉が低緊張(弱化)が起こりやすくなります。
その結果、頚と背中の筋肉のバランスが崩れてしまい、肩や頚のコリや頭痛などの原因となっている状態になります。俗にスマホ病やパソコン病と呼ばれているものです。
硬化筋(ピンク色)をゆるめて、弱化筋(青色)を鍛えることで不良姿勢を改善しましょう
硬化筋(ピンク枠)をゆるめるストレッチ
1.頸の付け根の筋肉(後頭下筋群)のストレッチ
① 顔の前に両肘がくるようにし、両手で頭を抱え込むようにします。
② 両手で頭を前に引くようにしながら、顎を引きます。頸全体を曲げるのではなく、図の☆印を軸に曲げるようにします。10秒保持して10回繰り返します
2. 頸を左右へ傾ける筋肉(肩甲挙筋)のストレッチ
頸の外側をストレッチします(図は右のストレッチを示す)
① 右の手は、下に垂らします。体はまっすぐにしたままにしておきます。
② 左手を頭上から回し、右の耳下に指をひっかけます。
③ 左手を左側へ引き、右手は下に物を取りに行くイメージで、伸ばしていきます。体は傾けないようにします。10秒保持を休みながら10回します。
3. 頸を左右へ傾ける筋肉(僧帽筋上部)のストレッチ
頚の外側から肩にかけての筋肉をストレッチします(図は左側のストレッチを示す)
① 左手を後ろに回して、右側のおしりの上に置き、止めておきます。
② 右手を頭上から回し、左の耳近くを持ち、頚を右斜め前に倒します。
4.胸の筋肉(大胸筋、小胸筋)をゆるめるストレッチ
① ゆるめたい側を上にして横になります。肘は伸ばして、手のひらは天井を向くようにします。
② ①の姿勢から、体はそのままにしておき、手は背中に隠すように、後ろに引いて行きます。この時、肩甲骨も背骨に近づけるように意識します。頚も天井を向くように動かします
5.頸を左右に回旋する筋肉(胸鎖乳突筋)のストレッチ
※ 図は右の胸鎖乳突筋ストレッチを示します
頸を右回旋しにくい時に右側をストレッチします。
① 左手を右の鎖骨の上にひっかけるようにおきます。
② 頚を左へ倒してから、さらに左へ回旋させます。さらにそこから斜め上を向きながら、筋肉の緊張を感じるようにします。鎖骨の上に置いた左手を下に引きながら、さらに伸ばしていきます。
③ 10秒保持して、休みながら10回行います。
弱化筋(青色枠)をきたえる運動
1.頸を曲げる筋肉(頸部屈筋群)のトレーニング
① ぐるぐる巻きにしたタオルを頸の下に置きます。この時、タオルの端が耳の下の突起部分(乳様突起)にくるようにします。この時、顎が上がるようにしてください。
② タオルを頸で押しつぶすようにしながら、顎を下にひいていきます。顎の先端を胸につけるイメージです。頸を曲げるときは、顎がしっかりと引ききることができるか、休んでいる時に、顎が天井方向に向いているかをチェックします。ゆっくり10回行います
2.頸を伸ばす筋肉(板状筋、半棘筋)のトレーニング
① うつ伏せになり、胸の下にクッションを置きます。頸は少し曲げた状態にします。
➁ 頸を曲げた状態から、頸の根元ではなく、頸から背中にかけて意識しながら頸を挙げていきます
③ 5秒から10秒保持を10回行います。
3.頸を伸ばす、肩甲骨を内側に入れる、肩を後ろに動かすトレーニング
(板状筋/半棘筋、僧帽筋中部/下部、菱形筋)
① 仰向けに寝て、後頭部に枕を置きます。両脇は軽く開き、肘は直角に曲げます。視線は天井の1点を見つめるようにします。
② 後頭部と、両肘で床を押し、肩から背中の上部を床から浮かします。耳の穴と肩が平行になるようにします。顎の位置は変えないようにしてください。5から10秒を10回します。
③ 上手くできるようになったら、②の後で、両手をゆっくりおへその上に置き、そのまま保持してください。後頭部のみで支える感じです。
4.肩甲骨を外に出す筋肉(前鋸筋)のトレーニング
① 両手を前に出します。この時、手の甲同士を合わせます。前に出す角度は45°程度です。
➁ 合わせた手の甲を、お互い押し合うようにして、力を入れます。5秒保持して、10回行います