ケガ、病気などで身体に障害のある人や、障害の発生が予測される人、高齢者など運動機能が低下した状態にある人に対し、基本動作能力(寝返りや、起き上がり、立ち上がりなど)の維持・回復および障害の悪化の予防を目的に、マッサージやストレッチング、筋力強化などの運動療法、また温熱や寒冷、電気刺激、牽引、光線などの物理的手段を用いた物理療法を併用して行うものを理学療法と言います。
患者さんの状態に応じてこれらの治療を行っていきますが、その前に理学療法士による評価を行っています。
運動療法部門では、診察室にあるエコー装置を訓練現場にも積極的に導入し、実際の治療に活用しています。
運動療法では関節やその周囲だけでなく、筋肉や、筋膜などの組織を広く見ることも必要になってきています。エコー画像は、レントゲン写真などの静的な構造の把握のみならず、リアルタイムで動的な評価を可能にします。患者様に視覚的な訓練効果の提示や簡単で痛みのない運動のコントロールの仕方を伝えることができます。
理学療法評価ではまず問診により、医学的所見として、お体の状態や日常生活の状態、痛みなどをお聞きし、社会的所見として仕事や趣味、ご自宅の環境などをお聞きします。
同時に、関節の動きや筋力、麻痺の程度などを検査し、動作や歩行能力などを見て患者さんの問題点を抽出します。抽出した問題点に対して、いろいろな運動療法を実施していきます。
骨折などの外傷で関節を固定したり、病気などで長期の寝たきりになった場合、身体の関節を動かすことがなくなったり、少なくなったりします。そうなると関節が硬くなり、放置するとそのまま動かなくなってしまいます。硬くなった関節を動かし、筋力を発揮しやすくして身体の動きを良くしていきます。 治療の一環として、マッサージやストレッチングを行い、筋肉を伸ばすことで緩めたり、逆に収縮させることで筋肉の柔軟性を上げることで痛みも軽減し、関節も動かしやすくなります。
専門の理学療法士が医師と連携し疾患別に評価、プログラムを作成し、早期改善を目指した治療を致します。
運動により痛みは軽減されることがわかっています。
治ることが難しい慢性痛に対する保存的な治療として、運動は有効性が立証されており、運動による痛みの抑制効果についてさまざまな報告がなされています。
このように、運動することは、慢性痛の軽減には効果がありますが、むやみにやっても効果は得られず、症状が悪化する可能性もあります。運動する場合は、医師やリハビリ専門職から、どんな運動が良いのかアドバイスを受けて頂くことをお勧めします。
なんらかの障害により、筋力低下が起こり日常生活に支障が出る場合、筋力増強練習を行います。筋力を増強させるには、負荷が必要です。負荷のかけ方には様々なものがありますが、重力を利用するものや、ゴムなどによる弾性を利用するもの、油圧や空気圧による抵抗を用いるものが一般的です。当院では、スリング、ゴムバンド、重錘など、個々の症例に応じて、多様な筋力増強法をご指導させていただいています。
ゴムバンドによる筋力トレーニング
重錘滑車による筋力トレーニング
四つ這い位からのバランス練習
人が運動している時や、重力に対して傾いた状態にある時にこれを察知する働きを平衡感覚と言いますが、これが障害される状態がバランス障害です。
脳卒中やパーキンソン病などの中枢神経の疾患で著明に低下する時がありますが、高齢者でも徐々に、自然にバランス能力が低下し、転倒の原因となる場合もあります。個々のバランス障害のある症例を評価し、適切なバランス練習を実施しています。
天井から懸垂されたロープの振り子運動作用とその先端に付属するスリングストラップによる身体の支持や重さを軽減する作用を利用して治療および訓練を行う手技の総称です。
運動麻痺やバランス能力の改善、筋力強化、ストレッチング、リラクゼーションなど医学的なリハビリテーションから介護予防、スポーツまで広い範囲で使用できます。
上肢、体幹の筋力強化
両下肢のリラクゼーション
絆創膏(伸縮・非伸縮)を用いて、関節の運動を固定または制限すること、あるいは筋を圧迫、または保護(補助)する目的で貼付する技法です。ギプス固定のように、完全な長期に及ぶ固定ではなく、任意に運動方向の制限や強度調節、固定が可能です。
テーピングの目的
【森岡 康(もりおか やすし)】
免許取得 平成4年5月
リハビリテーション部長
【得意分野】
肩関節、膝関節疾患、中枢疾患、物理療法
【古賀田 万典(こがた かずのり)】
免許取得 平成21年4月
認定理学療法士(運動器)
【得意分野】
脊柱疾患 下肢疾患(特に足部)
【西村 聡史(にしむら さとし)】
免許取得 令和元年4月
【得意分野】
スポーツ障害全般 脊柱疾患
【森 大海(もり たいが)】
免許取得 令和5年4月
【得意分野】
スポーツ障害全般・肩関節疾患
足のステップとハンドルが連動して動きます。全身性の運動の他、手足の単独運動も可能。
【下肢の整形疾患、脳血管障害、パーキーソン病など】
自転車のペダルをこぐように運動します。個々のレベルに応じて負荷量を設定できます。
【下肢の整形疾患、糖尿病など】
両側に手すりがついており、歩行が不安定な方でも練習できます。
任意で角度調節ができ、ゆっくりと足に体重をかけることができます。足元の台で足首のストレッチができます。
歩行訓練、持久力強化練習ができます。運動マヒのある方や、バランスに障害がある方には、ベルトで固定して歩行できます。
また天井から吊り上げることにより、両足への荷重を減らすことで、足に痛みのある方でも、長い時間歩行練習ができます。
手足の筋肉強化に用います。おもりの枚数を変えることにより、負荷量を調整できます。
空気圧を利用した体幹トレーニング装置です。
体幹に巻いたカフ(体幹カフ)からの圧力に対して押し返す力を発揮する事で体幹筋群のトレーニングを行います。
物理療法は温熱療法、機械的療法、電磁気療法に分類され炎症や症状を改善し回復を促進していくことができます。 物理療法は運動療法や機能訓練など他の治療とともに利用されることが多くあります。 適切な物理療法と他の治療法を組み合わせることで、より高い治療効果を得ることができます。
温熱療法:患部を温めたり、冷やすことで疼痛を緩和し、血液循環を改善します。
機械的療法:リハビリ機器を用いて、首や腰の牽引治療や体に圧力がかかっている部分の損傷や炎症の予防、減少をはかります。
電磁気療法:患部に電流、電磁放射線を流し、疼痛をコントロール、患部の治癒を促進します。
ベッドに取り付けられた装置で、頚椎、腰椎や背骨を牽引します。
【頚椎椎間板ヘルニア、腰椎椎間板ヘルニア、変形性腰椎症、脊柱管狭窄症など】
マッサージや指圧など、本来手で行う手技を「水」の特性を生かして行う機械です。水圧を調節することで、「たたく」、「もむ」、「押す」、「さする」などの手技を実現します。
血液とリンパの流れを効果的に促進させます。
イスに取り付けられた装置で、腰椎を牽引します。
【腰椎椎間板ヘルニア、変形性腰椎症など腰椎疾患】
東洋医学の鍼治療の応用で針を使わずツボ刺激ができ、鍼治療と同様の効果を発揮する画期的な治療機器です。
【肩こり、腰痛、関節痛】
マイクロ波により体へ熱による刺激を与え新陳代謝を促します。
【循環の改善、疼痛、リラクゼーション】
電圧電流調整装置、発振器を介して周波数1000Hz以上の2つの異なる中周波電流を生体内で交差させ、その周波数の差による干渉低周波刺激によって、疼痛緩和などを行います。
【疼痛、リハビリ、トレーニング】
渦流浴に加え、気泡浴の機能も備えた治療器です。
血行改善や筋緩解等に効果が期待できます。
身体に加温したパックを当て、血流の流れを促進させます。それにより痛みを緩和する効果が期待され、気持ち良く温熱治療を行うことができます。
マットまたは、助木を利用し、立ち上がるための運動をするためのものです。
足を怪我してしまい、階段を上り下りできない人に向けての治療法となります。
身体の腰、脚、膝などに巻き、微弱電気を流すことで、痛みを感じずに強い筋収縮を行える治療法になります。