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2024.01.31
今回は理学療法士チームが担当します
早めに気づきたい「軽度認知障害」
認知症の手前の状態である「軽度認知障害」。認知機能の低下はあるものの、日常生活への影響はあまりない状態のことを言い、「健常」と「認知症」の間の状態を指します。
軽度認知障害は進行して認知症に移行する可能性がある一方、適切な介入を行えば認知症への移行を遅らせることができたり、元の状態に回復する可能性もあります。
軽度認知障害にどのように気づき、対応すべきなのかをご紹介します。
軽度認知障害には以下のような診断基準があります。
①認知症とはまだ認められない
②本人や家族から、「物忘れが増えた」といった認知機能低下の訴えがある。
③記憶、遂行機能(目標を立てて計画を遂行する機能)、注意障害(注意力・集中力にかかわる機能)、言語機能、視空間認知(目から入った情報を理解し、物の位置や向きを認識する能力 地図を読んだり、塗り絵をする時に必要)のうち1つ以上の認知機能に障害が認められる。
④基本的な日常生活の動作は正常である
加齢を進める要因を減らして、進行を抑えよう
認知機能は加齢に伴って低下するため、軽度認知障害から認知症へ防ぐためには「加齢を加速させる要因を減らす」ことが大切です。
①高血圧や糖尿病などの生活習慣病がある方は注意が必要
生活習慣病により、血管の老化ともいえる動脈硬化が進み、認知症のリスクが高まることが知られています。減塩を含めたバランスの良い食生活や、運動習慣が大切です。
②タバコや過剰なアルコール摂取は控える
アルコールに関しては、認知機能低下の直接的原因になることもあり、断酒することで、認知機能が回復するケースもあります。
③知的活動が効果的
「脳トレ」に取り組む、趣味に打ち込むといった知的活動も効果的です。自主的に楽しく行えるものを見つけましょう。
④社会活動への参加や対人交流も大切
地域の活動に参加する、友人と定期的にコミュニケーションをとりましょう。難聴があると、コミュニケーションの妨げになるほか、認知症のリスク因子にもなります。聞こえが悪い場合は早目に対処しましょう。
⑤地域包括支援センターに相談してみる
軽度認知障害の段階では日常生活に大きな支障がないため、介護保険の対象になることは考えにくいですが、誰でも参加できる健康体操講座など、健康維持や社会活動のきっかけになるような情報を教えてくれるかもしれません。