ワンポイント
2023.04.07
○骨折の原因による分類
1.外傷性骨折(一般的な骨折):正常な骨に強い外力が加わり生じた骨折
2.病的骨折:骨の局所的な病変による強度低下が基盤となり、軽微な外力で生じる 骨折
→悪性腫瘍による転移や骨肉 腫なども原因のひとつ
3. ストレス骨折:明らかな外傷がなく、反復する外力が加わ り生じる骨折。
→スポーツや激しい運動、環境の 変化も影響する場合もある。
・疲労骨折:健常な骨に負荷が繰り返し加わった場合に生じ る。脛骨、中足骨に多い
・脆弱性骨折:強度が低下した骨に、日常生活程度の軽微な負荷で生じる。 骨粗鬆症、関節リウマチ、長期の透析などが原因にあり、骨盤、椎体、 大腿骨頸部に多い。
○骨折治癒の異常経過
・変形癒合:異常な形態で癒合が完成した状態 →整復不良のまま固定が行われた、整復位が保持できなかった場合に起こる。
・遷延癒合:骨折治癒に必要と予測される期間を過ぎても癒合が見られない状態
→不十分な固定が原因であることが多い。 骨折部の治癒過程は残っているため固定方法の変更などが必要だが、骨癒合不全へ 移行することが多い。
・骨癒合不全:骨折部の癒合過程が止まってしまった状態
→不十分な固定、感染、骨欠損などがある 。
遷延癒合と骨癒合不全の違い
骨癒合不全
遷延癒合
○小児の骨折の特徴
1.弾力性がある
2.骨膜が厚い
3.骨癒合が早い
4.旺盛な自家矯正能がある
5.成長軟骨板ある
骨膜とは• • • 骨の表面を覆っている強くてしなやかな薄い膜
自家矯正能とは• • • 自分の力で勝手に真っ直ぐに戻っていく能力
成長軟骨板とは• • • 骨端線とも言う。成長に伴って骨が伸びたり太くなったりする のに大切な部分。身長が伸び切るころに消失する。
担当:松藤、本郷