ワンポイント
2022.01.05
【解剖学・受傷~診断】
全身の1/4の骨からなる足部は体重を支え、動かすことができる重要な役割をもっています。
その為スポーツを行う際に怪我の頻度が最も多い部位でもあります。
足関節の支持機構には内側靭帯と外側靭帯があり、特に外側靭帯には捻挫で損傷を受けやすいという特徴があります。
足関節の内側靭帯は三角靭帯、外側靭帯は前距腓靭帯、踵腓靭帯、後距腓靭帯の3つの靭帯で構成されています。
足部や足関節には以下の解剖学的特徴があります。
①外果と内果の長さの違い → 外果の方が内果よりも長く距骨は内側に動きやすい
②距骨体部の形態 → 前方の方が後方よりも幅が広く背屈位で安定し底屈位で不安定になる
③足関節底背屈の筋力 → 底屈筋力の方が背屈筋力よりも強く底屈位をとりやすい
④内がえし・外がえしの筋力 → 内がえし筋力の方が外がえし筋力よりも強く内反位をとりやすい
⑤腓骨筋作用 → 外がえし作用を持つ腓骨筋の力が底屈位では加わりにくい
以上の点から足関節を捻挫すると底屈位・内反位が強制されやすく外側靭帯が損傷を受けます。
更に3つの外側靭帯のうち、底屈位では前距腓靭帯が、中間位~背屈位では踵腓靭帯が外側靭帯としての働きをするため底屈位・内反位が強制され受傷すると外側靭帯にうち前距腓靭帯が最も損傷されやすくなります。
また「踵腓靭帯の厚さが4~5.5mmあるのに対し前距腓靭帯の厚さが2mmしかない」と記述している文献もあります。
上記の様な解剖学的背景から足関節捻挫では問診にて受傷機転を聴き取り、その他の検査(視診、触診、レントゲンやエコー等)で損傷部位を明らかにすることが重要です。
【リハビリテーション】
急性期のリハビリでは損傷部位の確認をし、テーピングなどの保護を行い急性炎症を軽減させる処置であるRICES処置(安静、冷却、圧迫、挙上、固定)を行います。
R(安静:Rest)
I(冷却:Icing)
C(圧迫:Compression)
E(挙上:Elevation)
S(固定:Stabilization/Support)
炎症が軽減してくると足関節・足部のエクササイズ(自動運動、チューブエクササイズ等)や複合関節運動エクササイズ(固定式自転車、スクワット等)を行います。
更に再発予防の為のスポーツ動作の習得や足関節・足部機能の向上として動作エクササイズ(ランニング、ステップ、ジャンプ運動等)と段階を経てリハビリテーションを行っていきます。
詳しくはお近くのスタッフにお尋ねください。
担当:西村・宮脇