足部の力学的ストレス(足関節背屈制限)について|明石市で整形外科なら阪田整形外科リハビリクリニックにご相談ください。

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足部の力学的ストレス(足関節背屈制限)について

ワンポイント

2020.08.30

令和2年8月26日 足部の力学的ストレス(足関節背屈制限)について院内勉強会を開催しました。

 

画像付きまとめ資料はこちらから

 

足関節の背屈制限

背屈とは足のつま先を足背(足の甲)に曲げる動作。
足関節の背屈制限はつま先を上に持ち上げる可動域が狭くなってしまっている状態のことです。
しゃがみこむ動作をした際に、早い段階でかかとが浮いてきてしまう人は背屈制限があると言えるでしょう。

 

背屈制限の主な要因

  • 関節構成体の制限(靭帯・関節包)
    1. 距腿関節:下腿に対する距骨の後方滑りの制限
    2. 脛腓関節:遠位(足関節側)の開排、挙上、後方移動を制限近位(膝関節側)の挙上、前方移動を制限
    3. 距骨下関節:回内運動を制限
  • 筋・筋膜・脂肪体による制限
    1. 下腿後面深層筋群のTIGHTNESS&高緊張
    2. 長腓骨筋のTIGHTNESS&高緊張
    3. 屈筋支帯・腓骨筋支帯の滑走性低下
    4. 足背筋膜・伸筋支帯の滑走性低下
    5. Kager’s fat padの柔軟性・可動性低下

fat padとは脂肪体のことで形状を変化させ、周辺組織の滑走性促進や摩擦の緩衝作用がある。Kager’s fat padはアキレス腱と足関節の間にある脂肪体である。

 

背屈運動

 歩行における背屈運動

重心が最も高くなった位置(MS)~前方に下降してくる(TS)時期。
下腿後面筋の遠心性拘縮を上手く使いながら重心を落とす制御機能がある。
MS中期~TSおける背屈運動が重要。

歩行、日常生活やスポーツ活動の中で『背屈運動』は欠かせない。

足関節の動きは膝関節や股関節にも大きな影響を与え、背屈制限によりストレスがかかり痛みを誘発します。

 

背屈制限にかかるストレス

膝内反ストレス(O脚)

足部回内運動が使えない→下腿の過外旋ストレス+内反ストレス
前足部内側に荷重しやすい→外反母趾を助長しやすい
距腿関節の背屈運動制限→下腿前傾↓→Ms以降背屈制限によって代償
運動で下腿過外旋ストレス→膝関節に影響

過回内ストレス(踵が内側に倒れている) 

後足部回外→St回内+Mt回外+横アーチ降下ストレス
外反母趾も助長しやすい

母趾への外反ストレス(外反母趾)

足部の回内運動と連動→足部の回内運動が過剰に
St回内+Mt回外+横アーチ下降ストレス→前足部内側で蹴り出し

 

 治療戦略

  • 距腿関節の関節包内運動
    • 下腿に対する距骨の位置
      • 底屈位:下腿に対して距骨が前方になるように誘導する。
      • 背屈位:下腿に対して距骨が後方になるように誘導する。
  • 距骨下関節の関節包内運動
    • 回外位・回内位
      • 底屈位:足部回外位へ誘導する。
      • 背屈位:足部回内位へ誘導する。
  • 背屈時の腓骨の動き(遠位脛腓関節)
    • 挙上・開排・後上方へ誘導する。
  • その他
    • 筋・筋膜・支帯・脂肪体への徒手アプローチ
      • 各組織の伸張性・滑走性が必要である。
    • 補高・インソール等

理学療法士はこのようなことを意識してリハビリに取り組んでいます!

 

詳しくはスタッフにお尋ねください。

担当:西村・山内