ワンポイント
2019.08.22
股関節のしくみ
股関節は、骨盤の寛骨臼と呼ばれるくぼみの部分に、大腿骨の上部にある骨頭と呼ばれる球状の部分がはまり込み、多様な方向に動くようになっています。
正常な股関節はこの部分の重なりが大きく、寛骨臼が骨頭の約4/5を包み込んでいて、関節を安定させています。
更に周辺の筋肉と協調することで、私たちは脚を左右自在に動かすことができるのです。
股関節の主な疾患
関節軟骨に変性、摩耗による関節破壊や反応性の骨増殖を生じる変形性股関節症、大腿骨頭の軟骨下に発生、
骨粗鬆症などの骨脆弱性を基盤とした大腿骨頭軟骨下脆弱性骨折、寛骨臼側、大腿骨側における特異的な骨形態により、股関節に繰り返し衝突が生じ、寛骨臼縁の関節唇および軟骨に損傷を起こす大腿骨寛骨臼インピンジメント、外傷や他の病気の放射線治療やステロイド投与やアルコール多飲など様々な原因により生じる大腿骨頭壊死などがあります。
今回はこの中でも最も多い変形性股関節症についてまとめてみました。
変形性股関節症
変形性股関節症とは、関節の軟骨や骨が擦り減ったり変形したりして起こる病気です。
有病率は、男性0~2.0%、女性2.0~7.5%と、女性の方に多く見られます。
(女性には先天性股関節脱臼の既往が多い為)
変形性股関節症の原因には、大きく2つに分けられます。
近年ではその多くは二次性股関節症であると考えられています。
【症状】股関節痛が主体であるが、臀部痛・大腿痛・腰痛を訴えることがあり、関節の可動域制限・跛行生じる。病期が進行すると脚長差や患側の筋委縮・筋力低下を生じる。
【X線像】レントゲン撮影をし、関節の角度や骨同士の位置関係、骨の形成不全や変形の有無、両足の長さや筋肉の力などを調べます。
【治療】痛みがそれほど強くなく、日常生活動作への支障が大きくない場合、保存的治療が行われます。体重コントロールや長距離歩行の禁止、歩行時の杖使用や筋力強化、また医師の指導のもとNSAIDsの使用なども行います。
【手術】以前からよく行われていた骨切り術は、最近では30~40歳代で1回の手術で一生いけそうな症例に限り、慎重に行われます。人工股関節置換術においては、素材の進歩でゆるみや脱臼が激減し、手術後の状態も良くなりましたが、若くて活動性が高い方には再手術が2~4倍に増えると言われていますので、注意が必要です。
※まずは早期発見!セルフチェックをして下さい。
☆なんでもスタッフに聞いて下さいね。 水島・遠藤
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