ワンポイント
2019.06.12
股関節はヒトの最大荷重関節であり、ヒトが立って歩行する際に最も重要な関節の1つです。寛骨臼と大腿骨頭よりなる球関節であり、股関節は多様な三次元的な動き以外に十分に荷重に耐えうる安定性が要求されるため、大腿骨頭を寛骨臼が深く包み込む臼状の構造をしています。
先天性の他、外傷、骨粗鬆症、など種々の原因や筋力低下で股関節に負担が掛かると破行や変形が助長され疼痛や脚長差につながりますので注意が必要です。
股関節に掛かる力について
股関節には自分の体重と筋力が合わさり股関節に加わる。
たとえば体重60㎏の人では
両脚立位:股関節より上部の重量の半分が片方の股関節に掛かります。片方の下肢の重量は1/6とされるため、股関節より上部の重量は体重の2/3となり片方の股関節に掛かる力は体重の1/3となる。図にしてみると上部40㎏片方下肢10㎏股関節には20㎏が掛かる重量です。
片脚立位で股関節に掛かる力(体重60㎏の場合)
立脚側の股関節に掛かる重量は立脚側下肢重量を除いた重量(体重の5/6)と股関節外転筋との合力となる体重の約3倍に当たる約180㎏にもなります。
仰臥位で下肢を持ち上げた時に股関節に掛かる力(体重60㎏の場合)
下肢の重さの6倍となるためほぼ体重分の筋力が必要になります。
歩行時に股関節に掛かる力(体重60㎏の場合)
歩行時に踵が接地する前から力が掛かり始め、接地時に1回目のピークを迎え、蹴り出すときに2回目のピークを迎える。ピークの大きさは体重の2.5倍約150㎏になります。