ワンポイント
2019.05.07
今回は腱鞘炎(けんしょうえん)についてまとめました。
「腱鞘」って何?
指や手首の関節が痛い時、お医者さんから「腱鞘炎ですね」と言われたことはありませんか?
「腱鞘炎」…よく聞く病名ではありますが、実際のところよくわからない方が多いのではないでしょうか?
腱鞘炎、つまり「腱鞘が炎症を起こしている状態」なのですが、そもそも、「腱鞘(けんしょう)」とは何でしょうか?
手足や指の関節を動かしている筋肉の両端には、「腱」という紐状の組織があります。腱は筋肉の力を手足の先端まで伝える重要な役割を担っています。
腱鞘とは、腱を包み込んでいる「鞘(さや)」のことを言います。
刀の「さや」と同じく、腱を包み込み、保護しています。
手足や指の関節を動かすと、骨と腱が動くのと一緒に腱鞘も動きます。
その際に、腱鞘の滑りが悪くなっていたり、摩擦を起こしてしまったりすると腱鞘炎を引き起こしてしまいます。
一般に女性、特に更年期や周産期、手指作業者に多いとされ
原因は指の過度な使用による機械的刺激に、閉経、妊娠などのホルモン不均衡が重なるためと考えられています。
ドケルバン(腱鞘炎)
手首(手関節)の母指側にある腱鞘とそこを通る腱の炎症。
患部の痛みと腫れ、動かしづらさがあり、日常よく手を使う女性に多い。
治療は局所の安静、投薬、ステロイドの腱鞘内注射などの保存的療法で、改善しない時や再発を繰り返す場合は腱鞘切開の手術を行う。
屈筋腱腱鞘炎(ばね指)
屈筋腱と靭帯性腱鞘の間で炎症が起こり、痛み、腫れ、熱感が生じる。
進行するとばね現象が生じ ばね指 となります。
更年期、妊娠出産期の女性、指をよく使う仕事の人に多い。
治療は局所の安静、投薬、ステロイドの腱鞘内注射などの保存的療法で、改善しない時や再発を繰り返す場合は腱鞘切開の手術を行う。
小児のばね指(強剛母指)
乳幼児、特に1~2歳に多く、母指の第一関節が曲がったままで伸ばそうとしても伸びない状態。
原因は先天性の腱鞘の狭窄、あるいは腱の肥厚でるといわれている。
多くは徒手強制や伸展装具で治るが手術に至る場合もある。
担当 森岡・山内