ワンポイント
2017.09.01
脊椎は、頸椎(Cで表す)7個、胸椎(Tで表す)12個、腰椎(Lで表す)5個、仙椎(Sで表す)
特に腰椎は、可動性が脊柱の中で最大で、体幹の運動の大半がこの部で行われます。
また、体幹の支持性が要求され、日常生活動作において機械的負荷が常時加わっています。
従って、若年時より退行変性を含めた様々な障害をきたします。
背骨と背骨の間にはクッションのような働きをする椎間板があります。
椎間板には、髄核と呼ばれるゼラチン状の柔らかい塊と、これを取り囲む線維輪と呼ばれる弾力性のある周辺部からなり、
いずれも年齢と共に弾力性がなくなり、背骨の動きが悪くなっていきます。
「ヘルニア」とはラテン語で「脱出」とか「飛び出る」という意味です。
何らかの原因で臓器の一部が本来あるべきところからはみ出して「脱出」してしまうことです。背骨の椎間板にできると椎間板ヘルニアです。
その他に脳にできれば脳ヘルニア、股関節の鼠径部にできれば鼠径ヘルニア(いわゆる脱腸)となります。
1.腰痛
不良姿勢や、過度の力学的ストレスが椎間板にかかることにより、傷ついた線維輪が神経に触れることにより、激しい痛みが出現します。
2、下肢痛
太ももの裏から、ふくらはぎを経て足部まで放散するような痛みが出ます。運動や労働で悪化し、安静で軽快します。
3.神経麻痺
椎間板ヘルニアでは、感覚をつかさどる神経と運動をつかさどる神経が両方圧迫されるので、感覚、運動ともに障害されます。
症状が出現する領域や筋肉は、腰椎の何番目の間にヘルニアが出るかで異なります。もっとも好発するのは、第4腰椎と第5腰椎の間(L4~L5)です。
この場合、すねの外側から足背にかけてのしびれ感と足の親指を伸ばす筋力が低下します。
4.膀胱直腸障害
大きなヘルニアが、単一の神経を圧迫するだけでなく、中心部の太い馬尾神経を圧迫し、第2、第3仙髄神経に障害をきたすことがあります。
これらの神経は陰部の感覚や肛門、膀胱を収縮させる筋肉を支配しているため、障害されることにより膀胱直腸障害をきたすことがあります。