ワンポイント
2016.02.15
1月13日に院内研修会を行いました。今回のテーマは「腰のしくみと腰椎椎間板ヘルニア」です。
まずは、腰の骨について説明します。背骨にある5個縦に並んだ骨を腰椎と呼びます。身体の中心にあり、上半身の重みを支えるという働きや腰椎自身を曲げ伸ばしすることにより上半身が自由に動くように助けています。背骨の中では疲れやすく、痛みも起こりやすい部位なんです。
【椎間板とは】
背骨と背骨の間に椎間板と呼ばれるクッションの働きをしているものがあります。年齢と共に弾力性がなくなり、背骨の動きが悪くなっていきます。
人間の直立姿勢は上半身に掛かる重力をすべて背骨によって支えなければならず、さらに前かがみや重量物を持ち上げたりと腰への負担は大きく増えてしまう。それによって生じる腰痛の原因は腰にある関節や椎間板への負担によるものが多い。
【腰椎椎間板ヘルニアとは】
ここで今回のテーマである腰椎椎間板ヘルニアについてです。先ほど説明したクッションである椎間板に変性が起こり突出や脱出し、後方の神経を圧迫し機械的刺激や化学的影響を与え腰や下肢に痛みが発生します。
【自覚症状】
運動や労働により腰痛、下肢痛が増悪し、安静で軽快します。咳やくしゃみでも増悪する場合があります。神経の圧迫により排尿障害が起こる場合もあり、この場合は手術適応になります。筋力低下が起こるとスリッパが脱げ易くなったり、段差につまずき易くなります。
【治療】
急を要する手術の適応でなければ強い痛みでも3ヶ月以内で消失する場合が多いです。痛みが強い急性期には活動を制限し痛みに応じて安静を取りながら薬物治療や注射を行います。激しい痛みが軽快すれば腹筋、背筋を強化しコルセットと併せて腰部の支持を補強して腰への負担を軽減させましょう。
担当 森岡 古賀田